(新・美の巨人たち テレビ東京放映番組 <2022.11.5> 主な解説より引用)
現在は、英国議会が「議事堂」として使用しており、併設されている時計塔(ビッグ・ベン)とともに、「ロンドンを代表する景色」として挙げられる。全長約265m、1,100を超える部屋、100の階段、中庭数11と、議会政治のシンボルにふさわしい壮大なスケールを誇り、時計塔の鐘の音は、ウェストミンスターの鐘として知られている。
設計においては、建築家チャールズ・バリー(1795-1860)と、当時は無名で20代の若手建築家であったオーガスタス・ピュージン (1812-1852)が携わった。バリーはイタリア様式の倶楽部建築により高い名声があり、古典様式とイタリア様式を好んでいた。
ピュージンの弟子であったフェリーによると、建築様式は、「すべてギリシア様式です。古典様式に従った躯体に、チューダー様式の細部を加えました」とピュージン自身が述べたという。
現在は、そのイギリスから独立・開拓したアメリカをはじめ、中国、インド、さらには日本の高齢化人口とは対照的に、若年未来世代を多く抱えるアフリカ諸国が、21世紀から22世紀を睨んで、その国の成長・台頭に頭角を表そうとしている。
イギリスそのものも、かつての栄光の時代は過ぎ去り、今日では経済問題、ブレグジット(EU離脱)問題やアイルランド紛争、気候変動・エネルギー問題、移民受入れ問題など、ヨーロッパ共通の課題とその解決に見舞われいる。イギリス政治史上初めて、両親をアジア系(インド)出身にもつ、イギリスサウサンプトン生まれの首相として、2022年10月にリシ・スナク氏が就任したのも、ある意味での象徴的な出来事と言えるかもしれない。
スーナク氏は初めて、与党党首としてバッキンガム宮殿で、国王チャールズ3世より組閣の要請を受け首相として就任した。彼は、過去200年以上で最も若いイギリス首相であり、インド系イギリス人のヒンドゥ教徒。イギリス初の南アジア系首相となった。
話が感想とはだいぶ逸れたようにも思えるが、イギリスの過去の栄光や歴史云々よりも、現在そして未来に向けたイギリスの舵取りの重責について、本当に重たいものがあるとの想いに行きついたが故である。
「温故知新」という言葉を今一度噛みしめつつ、新しい時代に立ち向かう勇気と正義こそが、国籍の違いや立場、置かれている様々な環境の違いはあるが、世界の民一人ひとりに求められているのではないか・・・
写真: ウエストミンスター宮殿 (全景)
美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty
本ブログは、「美の巨人たち」(テレビ東京 毎週土曜 22:00〜22:30) 放映番組で取り上げられた作品から、視聴後に私の感想コメントを綴り、ここに掲載しているものです。 (2020年4月放映より、番組タイトル名は「新・美の巨人たち」に変更) ブログ管理者 京都芸術大学 芸術教養学科 2018年卒 学芸員課程 2020年修了 瀬田 敏幸 (せた としゆき)
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