現代のドローンもない時代にあって、実に細やかに頭の中の「想像図」として描かれたとしか思えない、雪舟の想像力の豊かさと風景全体をキャッチした写実の的確さに驚かされる。
城崎温泉、有馬温泉と関西の天然温泉を巡る旅の途中ではあったが、その美しい景観が今でも目に焼きついて離れない。
雪舟(1420ー1506年)が80歳を越してなお現地に足を運んで、実景を写したことは驚異である。中国大陸に渡って大自然を写生し、宋元画を学び、禅画一致を求めて一生描きつづけた雪舟の傑作。広大な空間を感じさせる、開放感たっぷりの構成である。
たまたま出会った松島の月夜に浮かぶ一風景が、いまだに瞼に焼きついて離れない。朝から晩まで走り回りながらの執務の合間に、たまたまその風景に偶然に遭遇したと言っていい。
美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty
本ブログは、「美の巨人たち」(テレビ東京 毎週土曜 22:00〜22:30) 放映番組で取り上げられた作品から、視聴後に私の感想コメントを綴り、ここに掲載しているものです。 (2020年4月放映より、番組タイトル名は「新・美の巨人たち」に変更) ブログ管理者 京都芸術大学 芸術教養学科 2018年卒 学芸員課程 2020年修了 瀬田 敏幸 (せた としゆき)
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