千年の祈り 日本木造建築の極み・・「国宝 醍醐寺 五重塔」(朱雀天皇 作 951年)
(「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2014.8.30>解説コメントより引用)
日本の建築シリーズ
「国宝 醍醐寺 五重塔」は、京都府に現存するものでは、日本最古の木造建造物である。
そもそも、五重塔の由来とは。古代インドのストゥーパを原型として、やがて中国の「楼閣建築」に引き継がれ、日本に渡ってきた際には、日本独特の美意識が注入され、造形化される中で、「五重塔」へと経ている。
驚嘆すべきは、これだけの高さを有する建築物にもかかわらず、階層は初層のわずか1階建てのみであるということ。さらには、かつて「五重塔」が地震によって倒壊した記録が、皆無であるということ。
(番組を視聴しての私のかんそう綴り)
以前この番組で紹介された、「東京・浅草寺・本堂」。
飛鳥時代に特徴的な「屋垂み(やだるみ)」は、屋根が曲線を無理なく描いてそりあがっている様をいう。
まさに、この五重塔においても、古代建築ののびやかさ、軽快さ、雄大さが、そして全体としての「安定感・安心感」が、そこかしこに垣間見えるのである。
また、東京スカイツリーに、この五重塔における日本独自の工法「心柱」が、応用されているという。
それは、「心柱制振」(しんばしら せいしん)といって、「心柱」(しんちゅう)技術の応用。
地震の揺れを、オイルダンパーなどのクッションと、直径8メートルの「コンクリートの心柱」などにより50%軽減できるという。
建築そのものが「信仰の対象」とされている側面もあり、1000年の時を経てなお悠然と高く誇らしげに、それでいて優雅に優しくそびえたっている。その様は、「日本にとっての原点とはなにか」を、考えさせられるに足る存在として、圧巻である・・
写真: 上「国宝 醍醐寺 五重塔」「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2014.8.30>より転載。
同視聴者センターより許諾済。
下「東京・浅草寺・本堂」
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