ミケランジェロが彫刻に署名した唯一の作品「ピエタ」(1498〜99年)
<「美の巨人たち」放映番組(2017.5.6)の主な解説コメントより引用>
技巧派スペシャル 西洋編
誰もが息を呑む大作を作り続けた、絵を彫る彫刻家 ミケランジェロ・ヴォナローティ(1475〜1564年)。
ルネサンスの3巨匠の一人であり、その生涯を彫刻にすべて捧げた奇才。
多くの作品の中で、番組で取り上げたのは、「ダヴィデ像」(1504年 フィレンツェ・アカデミア美術館)、「システィーナ礼拝堂 天井画」(1512年)、「最後の審判」(1541年)、そして「ピエタ」(1498〜99年 サン・ピエトロ大聖堂) である。
ミケランジェロ云く、「真の芸術作品は、大理石の中にひっそりと佇んでいる。芸術家は、大理石の中からその作品を取り出すだけなのだ」と。
また、「絵画は、彫刻に近づけば近づくほど、優れたものになる」とも語ったとされる。
<番組を視聴しての私の感想コメント>
24歳で「ピエタ」を、36歳で「システィーナ礼拝堂の天井画」を、60歳で「最後の審判」を、そして、88歳で「ロンダニーニのピエタ」を、失明の中であっても、死の直前までも彫り続けた、まさに天才彫刻家である。
絵画でさえ、「彫る」ように描いた。浮き彫りのように、人物を描くことができたのである。ピエタとは、「慈悲」などの意味であり、ミケランジェロは、ピエタを題材として制作したのは、4体あるが、完成させたのは、「サン・ピエトロのピエタ」のみである。
聖母子像のひとつで、磔刑に処せられたのち、十字架から降ろされたキリストと、その遺体を腕に抱く聖母マリアをモチーフとした宗教画や彫刻のこと。
「サン・ピエトロのピエタ」は、他の芸術家によっても同じ題材で数多く作られたピエタと比較しても、肩を並べるもののない傑作である。
この作品によって、ミケランジェロの名声は確立されたといっていい。
写真: 彫刻作品「サン・ピエトロのピエタ」「美の巨人たち」テレビ東京放映番組(2017.5.6)より引用・転載。同番組視聴者センターより許諾済。
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