(「新・美の巨人たち」2022.1.22 テレビ東京放映番組より主な解説を引用)
「縄文のヴィーナス」(1995年国宝指定)
「縄文のヴィーナス」は、ハート形の顔につり目、小ぶりの鼻と口、前に突き出した乳房と下腹部、左右に張り出した臀部、肉感的な体の線は、妊婦を表している。このことから、子孫繁栄、豊穰などの願いが込められていたと考えられているが、確かなことはわかっていない。しかし、ほかの多くの土偶が意図的に壊されて出土するのに対し、この像は集落の中心地のくぼみに横たえられた完全な状態で見つかり、このことから当時の人々にとっては、特別な存在だったことが窺える。
「過去〜現在〜未来」と時間軸を想像してみるにしても、4000年から5000年前に、土偶という姿でこの造形を完成させたという一点のみだけでも、感嘆に値するものだと感じた。
第三次世界大戦の、生物・化学兵器、果ては核兵器の使用までちらつかせ、世界を相手に恫喝しているのを見るにつけ、「これは本当に現実なのか。映画や芝居の世界ではないのだ」と言い聞かせては、一刻も1日も早い即時停戦と、賢明なる話し合いによる終戦へと終息してもらいたいと祈るばかりである。
縄文人が残した土偶から読み取れたであろうように、「生命の尊厳」を第一に据えた価値観の転換を、全世界が共有すべき時代に突入する入り口に、ようやくたどり着いたののだろうか。
美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty
本ブログは、「美の巨人たち」(テレビ東京 毎週土曜 22:00〜22:30) 放映番組で取り上げられた作品から、視聴後に私の感想コメントを綴り、ここに掲載しているものです。 (2020年4月放映より、番組タイトル名は「新・美の巨人たち」に変更) ブログ管理者 京都芸術大学 芸術教養学科 2018年卒 学芸員課程 2020年修了 瀬田 敏幸 (せた としゆき)
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